障害者×ホームレス
2009年9月18日
仕事帰りに道を歩いていると、
階段の上でホームレスがうごめいていた。
寝転がりながらも、濁った目で宙を
睨んでる。傍らに、ワンカップは無い。
踊り場ならまだしも、40度の勾配
でネッコロガルなんて明らかに
病んでいる。
隣の病院から、中年のおばさんナースが
出てきてキョロキョロし始めた。
「やや!奴はホームレスではなく脱走患者??」
と思ったが、おばさんが追いかけていたのは、
中年の病院職員。二人で茂みの影でタバコ
を吸い始めた。不倫カップル?そうであって
欲しい。
目の前の病院では、車椅子に乗った老人が
どこぞの優しい人に手押しされている。
ホームレスの異臭を感じながらの、中年カップル。
澱んだ目で宙を見るホームレス。
車椅子の老人と手押しする善人。
そして、その傍を無言で通り抜けるボク。
電話が鳴った。
軽度の身体障害者のお母ちゃんからの電話。
「あんた、いつ帰ってくるん?」
元気そうだ。脚は少し悪いけど、うちの
母ちゃんはいつも笑顔。
障害者とホームレスの取り巻く関係で
奇妙な気分に襲われる。
先のホームレスの傍らに車椅子があったとしたら、
中年不倫カップル、そして、ボクはどう
動くのか。
ホームレスの障害者と、障害者のホームレス。
共に同じ意味合いだが、言い方一つで印象は
変わる。
その後、駅で立ち食いそばを喰う。
いつもより、不思議と不味かった。