商店街フェティシズム

2009年9月18日

世の中には、足の小指が好きだとか、崩れかけた乳房に癒しを感じるとか、
果てまたほんのりと湿りかけたブーツ(しかも臭い付き)が好きだとか、
とにかく色んなお方がいらっしゃる。

各言う私も、小1まで母親の乳首を吸ったほどのおっぱい好きであるが、
最近それよりもっとフェティシズムを感じるものを発見した。


商店街だ。


私の生まれ故郷、札幌市白石区N団地付近に、そんなものはなく、馬鹿でかい道路に
色気の無いホームセンターやディスカウントストアがポツポツと並んでいる程度だった。

そんな感じだから、初めて上京して横浜の日吉に住んだ時には、
「なんで、こんな狭い道に店が犇めき合って、しかもバスが通っているんだー!」
と妙に興奮したのを覚えている。

しかし、それは童貞中学生が初めて洋ピンポルノを見て
「な、なんだこれは!でっかいチ○コや!アワビや!」
と叫ぶのと同レベルの単純なオドロキに過ぎなかった。

その後、東急東横線の各駅を全て探検する-という小旅行に出た。

こちらの駅前にはどんなにしょぼくれていようが、何かしら商店街らしきものがあり、大変驚愕した。

札幌なんて、駅前が更地で、申し訳なさそうにマンションがチョコリと建っている
・・・なんて普通にあるのに。

そんな青春時代を過ごし、やがて住み着いた聖地蒲田。

工学院通りなんてのもあるが、私が本当にときめいたのは、
糀谷商店街。

ノスタルジックなおでん具屋。購入者不明の、水のベンディングマシーンSHOP。
電池の自販機のある、個人経営の電機屋。

何故か、ほこりのかぶった小さな人形を、ディスプレイの合間に展示する人気の無いそば屋。

覇気の無い店長が印象的だった、閉店セールの老舗スーパー。
そして、その近くで間も無くOPENするであろう、巨大スーパーマーケット。

商店街を女性に例える。

細長い糀谷商店街は、ああ愛しのスーパーモデル、MISSコージーか。

みんな大好き巨大スーパーは、形の良い乳房。

長く美しい髪の間から、こっそり姿を現すのは、滑らかなうなじ。
例えるなら、メインストリートから一本はずれた小路にある、小料理屋。
うす汚れたのれんをかいくぐれば、若造にはわからない大人の色気が待っている。

夜の街に妖しく光る、パチスロ屋のネオン。
チープだが、MISSコージーが初めての給料で買った少し派手目のジュエリー。


電池自販機のある電気屋は、前髪の後ろに隠れた大き目のホクロ。
人気の無いそば屋は、右脚にある古傷。
いずれもMISSコージーがコンプレックスを感じているものだが、私はそんな陽の当たらないものが好きだ。


関西には大地に向かって、せんずりする集団が存在する。
汚い話だが、埋もれかけた木の葉の感覚がたまらないらしい。

私も商店街でエクスタシーを感じるのだろうか。
いずれにせよ、女性を見る眼と何ら変わりは無い。