真夜中の風景

2009年10月28日
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冬の夜の道は険しく、時に憐憫を誘い、 深夜帰宅のサラリーマンに
「君はすごいなあ」と思わせるほど、寒風の中忍耐強い


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冬場の道は硬い。鋭い踵のブーツや厚底靴。
いついかなる時にも耐えうるよう、寒風を浴びる日々。


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飲みかけのジュース。あったかそうなゴミ箱の屑が
うらやましく思えるほどの寂しさ。でも、ほんとは
車の行き交う通りを見れて、一人嬉しかったりもする。


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ライトアップされたゴミ。つかの間のスターだ。


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ゴミと、永田町が変なバランスで存在している。


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放り出された小汚い椅子と役立たずの地図。 そこで休息する者は滅多に見ない。


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なんとなく悲壮感漂う光景。 王冠やラムネの瓶は宝箱に入れても、吸殻を相手にする小学生はいない。


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「あんまり、働きすぎんなよ。」
赤く光る信号が、静かに言った。


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浮かび上がるマンションのライト。
四コマ漫画のようにも見える


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鳥居の影もここまで縮む
スモールライトの世界が、影にはあるのだ。


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夜の道路に向かってシャッターを切るだけで、SF映画のような空間が出来上がる。


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イタチョコのようなマンション。

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得体の知れない光虫と、虫取り網のよう。

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白い大蛇のようで、一瞬ドキッとした。


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眠れない、男の夜なんてこんなもの。
コンビニへ行くか、AV鑑賞か。


長い階段は上る為ではなく、見るためにある。


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普段は混雑した人ゴミが大嫌いなのに。 夜明けの人影は、妙に嬉しい。 道に迷った山奥でのんびり登山を楽しむおばあちゃんに 出くわすようなものだ。


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小学生よ、何を想う。


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いつだって、働くヒトはいる。


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もう、朝だよ。

ライト君。お勤め、ご苦労様。


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さあ、電車に乗ろう。