ラブホを巡る冒険(後編)

2009年10月11日

男同士で、部屋にいて暇な時って、とりあえず AV見るわけですね。

見るといっても、ボクの場合は流すに近くて、
BGMの代わりにとりあえず点けとくワケですよ。

ていうか、友人を部屋に招きいれて、とりあえず
「テレビでも見ようか」ってなるんですが、ものの
5分で飽きてしまって、AVに移行する場合も
多いのですがね。

そういう場合、

前夜に就寝前の一発で使用して停止したビデオの続きが、そのまま流れ・・・故に、

白い液体のズームアップシーンから始まる場合が圧倒的に多い。

わけですがね。

料理好きの女性の家に招かれ、「とりあえず食べて」みたいな
感じで白菜のおしんことか、昨日の肉じゃがのあまりとか、缶ビールの一缶でも出されたら、
「この子は気が利くなあ」なんて、ひどく感心してしまうわけですが、

ボクの場合は、

男友達をカルピスでもてなすわけですね。

そりゃ、友達少ねーよな。

だから、その日も泥酔したボクらはヤることも無く、
普段ならサハラ砂漠の砂嵐しか映らない(この表現古い?)
テレビのチャンネルを点け、とりあえず、(まあ、どんなもんかな?)という感じでエロ番組を見るわけです。

中学時代なら、友達の家の兄貴の部屋とかで奇声を発しながらAVを見るわけですが、
御年27のボクらは、もはや

惰性で見ている

わけですね。

それでも、二重のパッチリ目を三角にしてカトサンは、女性の裸体を食い入るように眺めてい
るわけで、少なくとも彼のゲイ疑惑は晴れたわけです。

話を戻しますが、普段、ザザーザザーっていう砂嵐状態の2チャンネルとかに、
ラブホではお約束どおり、AVが流れているって、ナンだかロマンを感じませんか?

そう、

サハラ砂漠の向こうにはオアシスではなく、酒池肉林の光景が広がっているのです。

「ブラジャーってイイよねえ・・・」
カトサンが、おもむろにつぶやく。
「やっぱり、白!白がイイよ。それ以外は認めない!」

オッと!この空間、このタイミングで突然のカミングアウト。

それからしばらくカトサンの下着トークが始まる。
「素っ裸のオンナはエロくない。」とか「脱ぐ姿がエロくてタマラナイ」とか・・・。
その考えには共感できるものも多かった。もう10年来の付き合いだけど、
こういう話をすることはあまり無かったね。なんだかシミジミとしてしまったよ。

「けんちゃんは、オシッコフェチなの?」
突如カトサンが口を開く。

はて、何故にそう思う?
はて・・・

(+o+)

そういや、今日の昼ボクの部屋に招いたとき、自分の出演したAVをカトサンに見せていた。
映像の中には、以前の日記でも書いたようにボクと女優が泥酔して小便を掛け合うシーンも含まれており・・・

「アレは、仕事だ!仕事だよ!」

と、ハプバーで乱交し、現行犯逮捕されたチョコボール氏のようにボクは弁明するのであった・・・。

***

ヤることもないので、とりあえずオ○ニーをすることにした。
ムスコは六部立ち。準備体操はもう、終わっている。

ボクが風呂場、カトサンが部屋ですることになった。

このラブホ、風呂場にもテレビがあり、気兼ねなくオ○ニー
を楽しめる。

早速テレビをつけるとジャパネットたかたの社長がデジカメを
売っている。相変わらず高い声。とりあえずこの人に用はない。

チャンネルを替えると、またしても、高田社長・・・いや・・・
番組名は「ジャパネットはだか」。
裸の女性と、高田社長の物真似をした男が、バイブやローターなどを実演販売している。
チャンネルを戻すと、今度は本物の高田社長がデジカメ、また戻すとバイブを売る社長が・・・

デジャブじゃない!なんだ!?この、リミックスは!!

表の地上波では、善の高田社長が、
裏のスカパーでは、悪の高田社長が、

まるで、スターウォーズのルークとアナキンの様!!!ダースベーダーの持つライトセーバーは、実はバイブレーターだったのか!!!

と、小生は小さな感動に包まれるのでありました。

2分で用を足し、しばし湯につかる。
小満悦に浸りながら、ふと考える。

(カトサン、オナ○ー終わったかなあ・・・。フロの扉を開け、
「もう、いーかい!?」「まーだだよ」ってなやり取りを交わすのもなんだか気恥ずかしいし・・・)

終結の合図を決めていなかったのだ。
だが、そんな心配は杞憂だった。

風呂場のライトがチカチカ・・・。一瞬、(停電かな?)とも思ったが、明らかに意図的な光の信号だった。

そう、オ○ニー終結の合図は光のモールス信号。

なんて小粋な演出なんだと思い、風呂場から出ると、カトサンがバツの悪そうなカオで毛布にくるまっていた。

テレビからはもちろんAVが流れているのだが、映っている女性は50間近の熟女。

(はて、カトさんにこんな趣味が・・・)

綺麗に見えなくも無いが、これじゃあボクは抜けない。
カトサンが相変わらずバツの悪そうな表情をしている。

「終わったの?」

黙ってウナズクカトサン。

「タイミング・・・タイミングを間違えたんだよ・・・」

意味も分からず、スイッチングをして事情がつかめた。
この時間、AVが流れているのは3つのチャンネル。

一つ目は、80kgはあるだろう巨漢な娘が喘いでいる。
二つ目は、ニキビ面の光浦靖子が喘いでいる。
そして、三つ目は50間近の熟女が・・・

なんという、ニッチな選択肢!

AM6:00。誰もAVを見ない時間帯だからって、

この編成は、殺人級。

カトサンは、光浦よりも熟女を選んだわけか。
そして、まさぐっているだけのつもりが、誤発射してしまったというわけか。
おお、悲しきマスターベーションブルース・・・

電車も走り始めているし、そろそろ出ようとボクは
身支度をし始めた。カトサンも髪のセットなどをし始めている。

販売機で会計を済ませ、ドアノブに手をかけた時だった。

カトサンがバツの悪そうな顔でつぶやく。
「やっぱり・・・やっぱり、出させてくれよお・・・!!!!」

友よ・・・すまなかった。
ボクが悪かった。

カトサンは、その後トイレにこもり、純粋なる妄想のみで、驚くべき速さでイッパツ終えた。

仕事の速い男とは、こういう男だろう。

そして、晴れやかな表情で現れたカトサンとボクは、豚骨ラーメンを食し、
男同士の表参道~青山散歩をマンキツし、その夜タン塩とハラミなどをつつきながら、
思い出話にふけるのであった・・・

めでたし、めでたし


(完)