女装のススメ
人間生きていれば生きているほど、毎日の生活に
飽き飽きしてしまうものである。
一見すると、鼻クソと一緒にティッシュに
丸められてゴミ箱行きになりそうな退屈な
毎日をどう、面白おかしく過ごすのか?
趣味を見つける、引越しをする、散歩をして
素敵なsomethingを探しに出かける・・・
色々あるだろうがボクはある一つの答えに
たどり着いた。
外見イジればいい。
その昔から、女装願望はあった。
AV制作時、ボクを女装させて出演させる
企画もあったが、その前にクビになって
断念した。
鬱MAXで病んでいた時、新宿二丁目でゲイに
掘られたこともあった。だが、そん時もボクは
間違いなく自分は男であると確信している。
それでもボクは女装に興味があった。
と、言うよりは女装した時の自分の心理に
興味があった。新たな価値観が生まれるのでは・・・?
作家の筒井康隆は、「SF作家としてやっておかねば
ならぬことがある」と、ナイフとフォーク片手に人糞を
食おうとし、奥さんに止められた・・・
なんて笑い話もあるが、ヒラリーマンのボクにとって
の女装も、氏と同じく
「感性を磨く旅」
…なんて考え、早3年。
昨日、そのちっちぇえ夢が遂に実現した!
実は、女装を図ろうとしたのは今回が初めてではない。
以前友人のRちゃんの家に遊びに行ったとき
「実は、女装願望があってね・・・」
と小さな声でつぶやいた。
みうらじゅんのDVDに夢中になっていた彼女であったが、
すぐさま「いいよ!気にしなくていいから、今やろうよ!」
と歓迎してくれた。
この時の喜びをナンと表そうか。
冷ややかな視線で見つめられ、「勝手にやればぁ?」
なんて、言われかねない展開を考えていた小生。
だが、Rちゃんはすぐさま、ハイライトやリップを手にし、
ボクの顔にいたずらし始めた。涙が出るほど、嬉しかっ
た・・・。もしRちゃんやその他の女性で、男装に興味の
ある方いらしたら、いつでもお兄さんが、体毛添って
提供するぞな。
で、その時の結末。
コレ
↓
昔元気が出るテレビに出てた、ジュゴンみたいだ。
ボクは慌しく化粧を落とし、彼女と共に焼肉に出かけ、
涙々でいつもより固いタン塩を噛み締めるのでありました。
ぶっちゃけ、肌の白さに自信はあるし、もうちょっとイケ
ると思ってたのさ。けど、やっぱり何事にも入念な準備が
必要である・・・
そして、ボクは昨日、友人の美容師Mちゃんを招集。
服選びから慎重にはじめ「ヅラがないちゃ始まらん」と、
秋葉原まで買出しに。
ドンキホーテの5Fを訪れると、アイドルのライブが
行われており、そこでは、リアルアキバ系の男性陣が
コブシを振って、元気に応援していた。
大きなリュックに紙袋。そして、見た目に漂う統一感。
彼らが普段何をして食べているのか?そしてまた、どのよ
うなライフスタイルを送っているかに興味を注がれたが、
一つ言えるのは紛れもなく彼らは純粋で、可愛らしい。
一緒に見てたMちゃんが
「ここに来ると、元気もらえるね・・・」
とシミジミとつぶやいた。
そう、ドンキ5Fはアキバブレーンの巣窟。
色々迷ったあげく茶髪ロングのウィッグを手にした我々。
ホントは「カエラみたいになりてぇ」と密かな願望もあっ
たが、ボクの突き出たホオ骨を隠し、女性らしさを出すには
ロン毛しかない。
さて、自宅でいよいよ作業開始。
メーキングベースを塗り、ファンデーションを塗り。
チーク、ハイライト、アイライン、アイシャドー・・・
色々塗りたくられた小生であるが、ウィッグの長い
髪がほっぺにチクチク触れて痒くてしょうがない。
腰まである長い髪の女性を幾人か見た事があるが、
どうやって生きているのか計り知れない。
我慢できずに顔をボリボリ掻くと
「メイク落ちちゃうからダメー!」とMちゃんのカツ!
女の子って大変なのね。こんな化粧を毎日毎日して
本当に大変なのね。こんなに色々毎日手入れしてるのだか
ら、男に頼りがいを求めるのもわかるわぁ。
ナヨナヨしている奴なんかは、バッチリメイクの上に止ま
ったハエみたいでシッシッシー。
ウフフ・・・鏡の前のアタシ・・・意外と綺麗じゃない。
そんじょそこらの女なんか負けないわよ。道歩いてたって
アタシ以下の女なんていっぱいいるじゃない・・・
なんて、ドンドン気分も女になって行くのがわかる。
「けんちゃんの顔、難しいわぁ」
Mちゃんが時折諦めとも思えるネガティブ発言をする。
頼む!ボクを女にしてくれ!
メイクをすすめていく内に、色々な事に気づかされる。
マブタがはれぼったい、毛穴が開いている、まつ毛が
長い、ひげが思ってた以上に濃い・・・
自分の体の部位なんてさして興味なかったが、
想像以上に個性的な部位に驚きの嵐。
そして・・・
完成↓
さあ、野郎ども!思う存分、ヌいてくれ!
残念ながら、目つきの悪い写真ばかりなので、
正面からのものはお見せできない。だが、紛れもなく
女性になったボクは、男のボクよりも綺麗で、しばし鏡
を見つめるのであった・・・。
0.5秒であるが、鏡の中の自分に惚れそうだった。
普段、見栄晴などと罵倒し、たまにダイエットに挑む
も、結局あきらめ、容姿に劣等感なり、アキラメの
境地を感じていた自分が、ものの30分でこんなポジティブ
になれるとは!
黒のストッキングを2秒で伝線させ、相変わらず
顔はムズがゆかったが、それでも、気分は女。
自然と裏声になるし、なんたるやこの恍惚感!
ちなみに、次の目標は女装して街を散策。
そして最終目標は、
男にナンパされることである。
ちいさな目標をペタペタと踏み倒し、平凡な日常を
おもしろ楽しく生きていく・・・。
それがボクの人生だ。