田舎ドライブ
墓参りがてら、おやじの運転でドライブに出た。
ルート:札幌→岩内→仁木→余市→小樽→札幌
BGM:
ジーーーー! ミュイユ! ミュユミュユミーーーー! セミの音
【目撃したモノ】
バリカンで刈られたようなスキー場の山
森に佇む掲示板、田園に佇む選挙看板
山のなかの変電所
土砂崩れ防止のフェンス連鎖
風にあおられ、イナバウアー松、背面飛び白樺
一直線に続く道路の白線=地球のミシン目
中山峠。顔を出すパネル看板に、ケツの割れ目を突き出し、写真を撮る少年の無邪気さ
ログハウス風バス停
爪アカのような堆肥の匂い
風になびく、「ドライブスルー」ののぼり。
商店の屋根に立ち並ぶ、「大売出し」のぼり連鎖
星条旗風の看板に「ハンバーグ」の文字
ビニールハウスはスケルトンいも虫
無駄に駐車場の広いラーメン屋
「ご自由にお休みください」国道沿いの駐車場
ソコナイ停留所 そこ無い? 損ない? 底無い?
コンテナがない車台むき出しのトラックは、尻尾を切られたトカゲみたいで可愛い
一階が商店。母屋のある二階まで階段が伸びる建物シリーズ@倶知安(くっちゃん)
ひと気のないエリアに佇む、生コンクリート屋
※ミキサー車。生のまま回し続けろ! ミニゲームにあるの?
「森永アイスクリーム」のベンチ
いかにもリッチそうな名前なのに、何にもない国富町
寂れた家にある、怪しげな八角形の窓
共和町 かかし祭り
道路脇に佇む砂入れ器(坂道滑り止め用)
色気のない正午を知らせるサイレン音 ウゥゥゥーーーーーーー! @岩内 (戦時中?)
【車の窓越しに見かけた気になるフレーズ】
(※哀愁、レトロ、妙ちくりんが、お好みです)
マリンスポットさわやか(トイレ)
キングシャワーアイランド(洗車場)
お食事処 ドライブイン
塩谷文庫歌(バス停)
酵母パン 凛香(スナックみたいな、名前だね)
すずらんホール
フルーツハウス ゆできび フルーツ
たばこ 日用品 プロパン
ドライクリーニング
ハロープラザ
光子美容室
アメリカンドライセンター
ファッションプラザ
ビューティーサロン
コーポはまなす
愛ケアサポート
きのこ王国
ファースト美粧院(美容院よりゴージャスっぽい)
おたるもみほぐしや(全部ひらがな。読むだけでほぐれます)
おたるのラーメン あったまりませんか
腸が元気になる店
ジブラルタ生命
シーフードレストラン キャビン共栄
タルレイのラムジンギスカン
ムラーノ ノート マーチ モコ
ポートアベニュー
ぱるて築港
いらっしゃいませ キャッツアイはこちらです
寿司 天ぷら うどん そば (全部同じ店)
卓球 カラオケ フィットネス ダーツ
岩塩サウナ パチスロ 日焼けサロン ビリヤード
お化け屋敷 酸素バー ネットカフェ マンガ喫茶
(全部同じ店)
ドライバーショップ トラックハウス
バイクがすきだから セーフティライド
極上焼肉
女性だけの30分フィットネス
焼肉世界王者
魚バカ 浜料理
シュヴァービングの森
【感想】
①パン好き女
田舎に行くと、無駄に看板のデカい小さなパン屋がたくさんある。
男はラーメンを作りたがるが、女はパンを作りたがる。
どうして、女はパンが好きなのだろう?
男は基本、白米か麺である。
女は食の守備範囲が広い。
子供の頃、パンと目玉焼きとソーセージ、グレープフルーツのセットが
最高の朝食だと考えていた。
パンの耳を油で揚げて砂糖でまぶしたのが好きだった。
給食の揚げパンが好きだった。
コッペパンの皮だけ薄くはがして食べるのが好きだった
大学生の頃、ヤマザキのスイートブールと、まるごとソーセージにはお世話になった。
スイートブールはデカイだけで中身のないヤツであった。
パン工場の深夜バイトをした時、まかないに出る廃棄パンにロクなものがなかった。
仕方がないのでポケモンパンだけ選び、無駄なシールばかり増えていった。
今、北海道に住んでるので、時々、「ロバパン」や「日糧製パン」といった
ご当地パン工場の看板を目にする。えらく懐かしい気持ちに駆られ、
先ほどwikipediaで調べたところ、共に「売上高では下位グループに属する」という記述があり、ショックを受けた。
世の中、パンに別れを告げる男は結構いるが、そもそもいつ別れたのか覚えていない。
31歳の今、パンにはあまり興味が無いが、「パン」や「ベーカリー」という言葉は好きだ。
あったかいイメージだからだ。
それでも時々、黒コゲ寸前のカリカリトーストは無性に食べたくなる。
縁日で見るじゃがバター並みにドサッとバターを落とすのがうまいんだ。
どーでもいいけど、「コンチネンタルブレックファースト」ってネーミングの割りにしょぼいなぁ
パン、ジュース、コーヒーだけでしょ。「朝定食」の方がはるかにゴージャス
②抱き合わせ商法
田舎には抱き合わせが多い
・寿司 天ぷら うどん そば (某飲食店)
・卓球 カラオケ フィットネス ダーツ
岩塩サウナ パチスロ 日焼けサロン ビリヤード
お化け屋敷 酸素バー ネットカフェ マンガ喫茶 (某アミューズメント施設)
やりすぎだろ!
アミューズメントスクランブル!!
よく言えば、できるだけ消費者ニーズを満たそうとする店。
悪く言えば、ポリシーのない店、プライドのない店、自信のない店。
これは、ごった煮的な昨今のバラエティ番組と通じるものがある。
元祖は北海道や関東の田舎に散らばるアミューズメント施設、
キャッツアイなのであろうか??
③テント小屋
田舎に行くと、道路沿いに「ゆできび」「フルーツハウス」といった看板やのぼりを度々目にする。
運動会で見るテント小屋のような小さな店舗で、店先には現地で採れた果物や野菜などが
並べられてある。
ある店では、店員が女子高生だった。
ある店では、「お品書き」を書くために、学校にある巨大な黒板を使っていた。
僕は限りなく労働意欲がなくなったとしても、
こういうテント小屋ではアルバイトをしてみたいと思う。
④田舎の女
田舎で見る女は、いつも綺麗に見える。
その昔、冬の札幌。
雪原のバス停で、たった一人赤い傘を差し佇む茶髪の女を見た。
肌は驚くほど白い。
綺麗だった。
その昔、温泉街にある赤暖簾の中華料理屋で、振りザルでラーメンを湯切る、
化粧けのない、30代前半くらいの女を見た。
なかなかの美人だったが、極端に覇気がない。
指の付け根の関節に、あかぎれが見えた。
14インチのテレビからはわびしげなローカルニュースが流れている。
ここで生まれた女なのか? 紆余曲折を経てやって来た、わけあり人なのか?
いろいろなことを想像し、5倍増しで彼女は色っぽく見えた。
⑤マンション一階にあるコンビニ
理想的な出会いは、マンション一階のコンビニで起こる。
そのマンションに住むと、当然そのコンビニに通うことになるだろう。
毎日通えば、時々見かける異性がいるだろう。
同じマンションに住み、一階のコンビニで出会ってフォーリンラブするような、
ボーイズビー的な出会いに憧れるのだ。
⑥きのこ王国
きのこ王国という、土産物屋とレストランの合わさった店に行った。
名物はきのこ汁(100円)だ。
なめこ、まいたけ、しめじ、落葉などのキノコが入った味噌汁で、
刻みネギも入れ放題。
顧客に好き勝手にネギを盛らせる店ほど信頼のおけるものはない。
ラーメン屋でもそういう店はある。どろどろのスープと一体化したネギが好きなのだ。
僕はここで、きのこ汁大盛り(180円)、きのこウニご飯(380円)、
きのこおにぎり(100円)、きのこ天ぷら(取り放題 380円)
を注文した。
天ぷらはお金を払うと、新書サイズの容器を渡され、
4種の揚げたてきのこを好きなだけ取ることができる。
この店は非常にできがよく、容器を覆うビニール袋まで渡してくれる。
隣のテーブル席に、60くらいの夫婦がいた。
旦那の方は僕と同じような組み合わせだったが、奥さんの方は違った、
きのこ汁と天ぷらだけである。
しかし、その天ぷらの盛りが尋常じゃなかった。
明らかに僕の3倍以上はあるのだ。
普通の人間なら取り放題といっても、容器に載せて持ち運べる山盛り
をイメージするだろう。
ところがそのおばさんは明らかに容器の概念を無視していた。
まるで金魚すくいのポイのように、その器で何度も天ぷらをすくいあげ、
ビニール袋をパンパンにして持ってきたようなのである。
それを見て、つるぴかハゲ丸君の漫画を思い出した。
ハゲ丸君とその一家は猛烈にセコイことでおなじみだ。
ハゲ丸一家は運動会のおせちを作るために、デパートの試食品だけで重箱を埋める。
ハゲ丸はカップアイスクリームを完食し、蓋をベロベロ舐め、
その後容器に水を張って凍らせ、その氷までガシガシ食べる。
ハゲ丸のおやじは会社までの交通費を浮かせるため、
毎朝歩道橋の上からトラックの荷台に飛び降りている。
ハゲ丸家の隣に住む爺さんは、ビニールハウス代わりに公衆電話ボックスを利用して観葉植物を育てる。
ちなみにこの「きのこ王国」。アルバイト店員の時給は700円。
北海道では高いほうだ。
先ごろ、東京の大学生である従兄弟に会ったが、バイトは銀座レストランのホールをやってるそうだ。
時給1200円。きのこ王国とは1時間500円の差である。
ううむ……理不尽な世の中。
そんなこんなで、きのこはうまい。きのこは怪しい。
きのこほど、神秘的かつ奇妙な生き物はいない。
僕の前世はきのこであって欲しい。
フリースタイルライフがリニューアルしました。
「死なせてたまるか! ポジティブ・シンキング博士の自殺撲滅大作戦」 というコンテンツを始めます。
ものすごーくゆるゆるな感じで、できれば月1くらいで更新します。