コンドームの買い方

2009年10月11日

着流しをはじめてから、悩み相談を
度々うけるようになった。

やれ、オンナができないだの、結婚は難しいけど二人の間には
愛があるのだの、オンナを口説くにはどのような駆け引きが
必要ですか?だの、まあ、いろいろ。

着流しにかくされたデブッ腹がスピリチュアリズムの
あの人のオマージュとして持てはやされているのだろうか?

まあ、そんな時ボクは
「えっと、そうだね、その、君は、悪くないし、その・・・」
などと頑張って相談乗ったり、励ましたり、最後に何故か
励まされたりするのだけど、悩み多き青春の日々を送っている
諸氏に問いかけたい。

「ちみたちは、もっと重要なコトで悩んだりしないのかね?」

そうだ、そうだ。
世の中には、もっと重要なことがあるのだ。
北朝鮮だの小泉政権だの、外交がどうだの、そんなんじゃないよ。

それは例えば

「コンドームの正しき買い方」

いや、こりゃ、重要だよ。
もっと言うなら

「コンドームのカッコいい買い方」

だよね。


普通、まず、アレをどこで買うのかね?

ま、ドラッグストアかコンビニが正解
なんだろうけど、なぜか最近ボクは
近所のホームセンターにソイツを買いに
行ってしまった。

そのホームセンターには、大工道具や木材以外にも、
食品やシャンプー、石鹸、整髪剤、ティッシュペーパー
なんかがうず高く積まれているわけですよ。

そこでボクはとりあえず、
コンドームの生理用品付近所在の法則に従い、
ウロチョロとウィスパーとか、チャーム近辺を
徘徊したのだけど、全然見当たらないのよね。

店員に、若い男がいれば真っ先に
「ゴムドコ?」
って呪文のように唱えるのだろうけど、
運悪く、おばはん店員しかいらっしゃらない。

「コンドームドコですか?」
なんて言って
「エッ!?」
とおばはん、急にソワソワするのも気色悪いし、

「ゴムどこですか?」
と尋ねたら
輪ゴムを案内されそうな気もする。

カッコつけて
「スキンどこですか?」
と尋ねたら
布巾の付近を案内されそうな気もする。

いや、これは難しいと判断し、断念。

店を出てセブンイレブンの近くも通ったが、
大量多量射精放出の可能性も考えられることから、
コンビニじゃあ、極めてコストパフォーマンスが
悪いと判断。

結局マツキヨへ行くことにした。

一階の奥まったところに、様々な種類のゴムが
並べられてある。

「とくとく♪」
みたいな12個入りの3パックセットが980円で
売られていたが、製造元を見ると大阪市となっているので
どうも信用できない
(あくまでイメージ、すんません)

結局シルバー色の、それなりに高級っぽい2パック1580円
を買うことにした。

さて、ここからが難しい。
非常に難しい。

当然レジに行くわけだが、ここでゴムを
店員に渡すと、一瞬「ハッ」とした表情を
必ずされる。

この、「ハッ」は大体0.3秒くらいで非常に
短いが、どんなベテラン店員でも必ず顔に
出てしまう。

店員は、そのままレジ下から紙袋を取り出し、
パパッとつめて、袋にくるんで、ポンッと
差し出すわけだが、またこの間、およそ3秒が
何となく。気まずい。

「紙袋いらねえです」
とも言い切れず、
結局、なんとなくポーカーフェイスで振舞って
しまうのだが、なんとかならんものなのか。

例えば、レンタルビデオ屋で、「ダビンチコード」と
「ゴッドファーザー」の間にササッと
「酔いどれ巨乳天国120分DX」
を挟むような小心者ね。

このサンドイッチ型で、コンドームを買う
ことはできないものか。
マツキヨで挟めそうなものは数少ないから、
ゴミ袋とかクイックルワイパー(詰め替え用)とか
になるんだろうかね。そして間にコンドーム。

しかし、この場合は挟める個数が極めて限られて
しまうのだ。ゴム3個なんて、なんか挟んだら逆に
恥ずかしい。超具だくさんサンドイッチみたいで。

AVの場合は「本日は、120分DX一点のみ。
なんせオレ小心者だから、いっぱい借りて挟
むの恥ずかしいし、エヘへ」

なーんて、ことになるがコンドームは120分DXのように、
お得コンパクト1ケース36ピース盛なんて、都合のいいもの
ないから、難しいんだよね。

話がそれるが、TSUTAYAでAVと映画を借りたら、
店員に「タイトル確認です」と言われ、AVは伏せて
映画だけ提示されるのもうさん臭いんだな。

さて、話を戻そう。
先ほどの店員の0.3秒の「ハッ」。

これは、以下の日常の現象に良く似ている。

①昼下がり、自宅でエロ話をしている主婦たち。
 子供部屋で遊んでいたはずのガキんちょが、
 気づけば近くで聞いている。

 「もう!○○ちゃん!クッキーあげるから
  あっち、行ってなさい!」

  の時に魅せる専業主婦(35)の「ハッ」

②ディズニーランドのエントランス。
 容姿醜悪なオカマちゃんがやってきた。

 チケット切りバイトのA子が、毅然と言う。
 「・・・申し訳ないですが、ここは夢の国なので
  ご遠慮願えますか?」

  この時のA子(22)が魅せる「ハッ」

③自称芸能通でプチ業界人気取りのOL、B子が
 麻布十番のカフェで、以前からファンである
 イケメン俳優に遭遇。
 同席していたC子は、すぐにサインを
 もらいに行こうとする。
 
 そんなC子に向かって
 「ダメよ。一方的なサインの要求は迷惑よ。
  芸能人だってプライベートがあるのよ」

  とクールな振りして言い放つB子(31)
  が魅せる「ハッ」
 
***

秋の夜長にまた、長い日記になってしまった。
結論を言おう。

カッコいいコンドームの買い方。

それは、血管の浮き出た、マッチョバリバリ、
半そで短パン、「君は、チョコボールのお弟子さん?」
と思わしき男が、強引にズサッと高級薄型ゴムのみ、
豪快に、そして金ネックレスを揺らせながら買うような
買い方ではない。

最高にカッコいい買い方。
それは少なくとも、今の小生には無理。

70過ぎぐらいの、一見「ワタシャもう人生疲れました」
と思わしき着物姿の老人が、薄型3パックセットを
チョコンと持ってレジに現れ、紙袋に入れようとする店員に
向かい

「すぐ使うので、包みはいらん。そのままでいいじゃよ。」

と、まるで雨の日にビニール傘を買うがごとく、颯爽と
支払いを済ませ、去っていく・・・

そして、気になった店員が、後を追うと、
そこにはMKタクシー(ないし黒光りハイヤー)に
乗り込む老人の姿が。

そして、バックシートで金髪美女の髪をなでる
氏の姿が。

これは、男の夢、いや、サイコーにカッコいいですぞ!