あの人は今
人の生き方を詮索するつもりは無いし、比較するつもりもない。
だけど、ボクにはどうしても気になって仕方のない二人の人物がいる。
一人目は、ワキバラパンチという名の人物。10年前、ボクが高校生の頃、全国模試で名を馳せていたヤツだ。
毎回国数英ほとんど、全国上位で名前のインパクトもさることながら、全国模試という大舞台で、コンスタントに好成績を弾き出す彼の頭脳に心打たれた。
間違いなく、本名ではあるまい。だが、どんな天才と言えども 高校の勉強というものは、多少なりともやらねけらば芽が出ない。そんな、日ごろの努力を「ワキバラパンチ」という名でボケ倒すユーモア。ただの一度も、太腿キックとか、顎下アッパーなどと言う名に変化したことはない。あくまで、ワキバラに徹する一途さ。ましてや、彼(彼女?)の志望校が表示された時にはぶったまげて椅子から転げ落ちそうになった。
1.種智院大学(日本で一番ちっちゃい大学)
2.高野山大学(坊さんになる大学)
3.国際武道大学(バリバリ運動系)
そんな、彼は今どこで何をしているのか。まあ、普通に考えれば医学部にでも行って、どこかの研究員でもやっているのか。果て又司法試験に合格して弁護士か。だが、冷静に考えると彼にとってそんな安易な道など味気ないような気もする。
「世の中金だよ、金」と言い切り、出会い系サイトで大儲けしていたり、果て又インテリヤクザにでもなっていたり、果て又、東大中退のジゴロなんてのも想像できる。きっと彼は学生時代、ワイシャツのボタン全開、下から派手なTシャツをちらつかせ、ポケットに片手突っ込み、ひどく汚い字で答案を誰よりも早く書き上げ、屋上当たりでセブンスターをふかしていたのではあるまいか。
ネットで検索しても出てこない。ワキバラパンチよ!今どこにいる!?相変わらず、君は独特のユーモアと冷淡な目つきで世の中を見ているのかい!?
で、続いて二人目はウンチタメゾウ。
この人は、今から20年ほど前に、札幌市内に在住していて、紛れも無い本名である。
小学生ほどウンチ好きはいない。オッパイよりもウンチ。チンチンもタッチの差でウンチに及ばず。
オマ○コなど、ウンチの足元にも及ばない。鳥山明が昔、ジャンプの連載で悩んでいた時、ウンチを書きまくって人気を得たとの話もある。また、プレステの桃太郎電鉄も、うんちカードや、うんち列車など、ウンチだらけだ。ちなみに、この桃鉄、PTAかなんかに優良ゲームとして認定されたくらいだから、教育委員会もウンチにゃ頭が上がらないのだろう。ヤンキー母校に帰るじゃなくて、ヤンキー野グソに塗れるだったら、これは途方も無く哀愁漂うストーリーになっていたのに。
で、タメゾウの話に戻る。札幌市内の、どこかの悪ガキが電話帳の中にその名を見つけて狂喜した。国語辞書の次は、電話帳である。幼児は、途方も無く時間を持て余し、ある瞬間から、低俗な言葉を分厚い書物に求める旅に出る。札幌なんて、冬は雪ばっかりでチャリにも乗れないから、雪合戦やかまくら作りに一通り飽きると、ストーブがぬくぬくときいた教室の一角に寄贈された辞書なんかに手を伸ばし、ペラペラとめくってしまうのだ。辞書に飽きると、ある者は図書室で、人体系の医学書を必ず手にする。それにも飽きると今度は電話帳だ。
どこかの、肌寒い電話ボックスの中、第一発見者は「ウンチだぁ!しかも、タメゾウや!ウンコタメタメ!」と声高に叫んだに違いない。しかし、そこから悲劇は始まった。札幌市内はおろか、北海道奥地まで、タメゾウ伝説は広まり、当然ながらイタ電攻撃。結局、タメゾウの文字は、翌年の電話帳から綺麗に消えていた。ウンチ(運地)さんという人物は他にもいたが、残念ながら、タメゾウには勝てない。ウンチイチロウも、ウンチカズヨシもタメゾウの、足元にも及ばない。
「もう、俺達の時代も終わったな・・・」そんな風に、ウンチ少年達は第二の矛先を見つけるわけでもなく、純粋に橋の下、オヤジの本棚などのエロ本捜索の旅へと突入し、思春期を迎えるのであった。
ウンチさん、オゲンキですか?今は、静かな暮らしですか?あの頃はすいませんでした。
大人になった今、ご飯でも一緒にどうですか?ここ壱カレー1000gってことで。